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目指すは業界No.1。nottuo inc.との挑戦

こんにちは! MAMOの半田です。

本日のブログはおよそ4000文字。いつもよりちょっとだけ長めですが、ワクワクしてもらえる内容だと思いますので是非とも最後までお読みいただけたら嬉しいです。

さて、突然ですがみなさんはこのロゴを覚えていただいてますでしょうか?

「初めて見ました」はともかく、「なんだっけ」だと随分寂しいのですが。これは2018年1月の開業から約2年間MAMOのトレードマークとして頑張ってくれていたロゴです。『今をもっと輝かせる』を表現したもので、私にとってはとても愛着のあるものです。ちなみに今でもリピート品についてはこちらを使用しているものも多く、まだまだマットの上で活躍してくれています。

写真:早稲田大学・須崎優衣選手の活躍にはたくさんの勇気をいただきました。

そして、2020年2月のブランドリニューアルと同時に現在のスタイルに一新したわけですが、それはレスリングウエア業界でNo.1を獲るための決断でした。しかしながら、このNo.1という目標は私の中から湧いて出たものではありません。

現在はその野望に燃えに燃えまくっているわけですが、当時はものづくりに対する”好き”を追求していただけであり、そこまでの目線を持ち合わせていませんでした。

本日のブログではそんな私にNo.1への炎を灯してくださった人たち nottuo inc. の紹介と、リブランディングのここだけの話を書いていきたいと思います。

nottuo inc. が伴走をはじめるきっかけ

2019年3月ごろ、私はウェブサイトの構成に悩みを抱えていました。どうやったらお客様にわかりやすい案内ができるか。どうやれば商品の魅力が伝わるのか。本を読んでは微調整を繰り返していました。

しかし、もともとウェブ制作にセンスがある方でもなく自分一人では抜本的に変えることができなかったため、(同)MAMOと同じく岡山県西粟倉村に本拠地をおくブランディングデザイン会社のnottuo inc.さんに相談してみることにしました。ちなみに、このnottuoさんは村と東京の二拠点で活動されていて、実績も信頼も抜群の会社です。

nottuo inc.ウェブサイト

代表を勤める鈴木宏平さんは、ライフスタイル的に月の半分を田舎(村)で過ごされているのですが、帰村されているときは生きた知恵を吸収すべくよくお酒をご一緒させていただいていました。私も含め、村の若手にとっては信頼のおける兄貴分といった立ち位置の方です。

そんな宏平さんに、ウェブサイトの悩みを相談してみました。加えて、宏平さんに質問されるがままに、これまでの起業の動機だとか、どんなお客さんがいて、どんな課題があって、これからどうやっていきたいかも含めて洗いざらい話しました。

すると、、、、宏平さんの口から全く検討もしていなかった言葉が、、、

宏平「まものやってること超おもしれーじゃん。」

宏平「やっちゃう?」

(※まも=半田のニックネーム。ブランドネームの由来でもある。)

ん? いやまさか、超多忙なnottuoさんがMAMOのホームページ更新に携わってくださるということか?軽くアドバイスをいただけたら御の字だったのだけど、そんな願ってもないことが起こるというのか。。

ちなみに宏平さんの興奮ポイントは、競技人口1万人以下のニッチな業界で、大企業がフォローしきれていない細かいオーダーを拾いながら、着実にシェアを伸ばしていっているマイクロブランドの存在だったとか。

半田「ぜひ!」

宏平「ただ、ウェブとか表層だけ触ってもぜんぜん面白くないから、どうせやるならブランドコンセプトやロゴ、商品のデザインとかの根っこの部分からつくっていきたいな。あと、やるなら業界No.1を目指したいね。」

要求するとだいたいふざけた写真を送ってくる宏平さん

なるほど。確かに表層の部分だけ変えても、また少し時間が経てば気になる部分が出てきてまた悩んでの繰り返しになることはなんとなくわかっていたことで、私自身も抜本的な改革を望んでいた節がありました。そのタイミングでこの言葉は胸に突き刺さりました。

それから、これまで一人一人のお客様に対しては全力で向き合ってきましたが、業界No.1を目指すという思考は私の中にはなく、ちょっと驚きでした。しかし、ぴんとくることもあり、開業当初から安さが魅力の中途半端な商品づくりには興味がなく、常に本物を意識して商品開発を行ってきました。それは、私自身が元レスラーとして納得のいくものをつくりたかったということと、世界の舞台で活躍する選手にこそ着用してほしいという思いがあったからです。

それから、その頃陸王(池井戸潤 著)という小説を読んでいて、弱小足袋メーカーが独自のランニングシューズを開発してトップ選手とともに大企業に立ち向かっていくストーリーにひどく感動していました。

日曜劇場にもなった陸王

そんな感情も合間って、これまでの本物思考とnottuoさんのブランディングデザイン力がうまく織重なればNo.1を目指す土台がつくれるのではないかと考えました。

私の答えはもちろん

“お願いします”

です。

そうやってMAMOが業界No.1になるためのリブランディングプロジェクトがスタートしたのでした。

根っこの部分が整うまでの4ヶ月間

表層の部分だけ変えても意味がない。

この宏平さんの言葉はとても深いもので、MAMOを通して何をやっていきたいのか。誰を幸せにするために事業をやっていくのか。そんな深層部から考えていく必要がありました。そうでなければ表面に見えてくるものも結局陳腐なものが出来上がってしまう、と。

ここが決まらないと何も前に進めることができず、あーでもない。こーでもない。と、問答の日々が続きます。

気づけば7月になっていましたが、その頃ようやく一つのキーワードが降りてきました。

美意識

あまり普段は使わない言葉かもしれませんが、スポーツは美意識の塊という仮説が私の脳みそを妙に興奮させました。というのも、それは自身の競技経験と、たくさんの一流選手を間近で見てきたことに由来します。

スポーツはトップを目指すほどに日々自分との勝負になってきます。目標を達成するために自らを追い込み、弱さに打ち勝っていく。そこに嘘もインチキも存在せず、ただただ愚直に。もし嘘が存在したならばそれらは全て自分に跳ね返ってくる。そして一流選手は練習だけでなく私生活からそこと向き合っています。

そんな選手が、鍛錬の発表の場である試合ではたして不誠実な勝利を望むでしょうか。本人の意図せぬところで有利に判定をくだされて勝利してもうれしいでしょうか。絶対にそんなことはないですよね。しかしながら、残念なことに私はそんなシーンをレスリングという競技で幾度となく目の当たりにしてきました。しょうもない大人の都合で人生を狂わされた選手を知っています。

おそらく、私の心の奥底にこびりついた悔しさが美意識という言葉になって現れたのだと思います。

そして、この正々堂々の美意識はスポーツの枠を超え、これからの時代にめちゃくちゃ大切なことだとも思いました。だからこそ、日々の自己鍛錬で美意識を磨き続けているアスリートには未来を変える力がある。そう訴えたかったのです。

誰に着用してほしいか:No.1を目指して自分自身を磨き続けるアスリート
誰を幸せにするのか:正々堂々の美意識を持ったアスリートの活躍が良き未来をつくる

そんなことを言葉で整理するためにA4ノート8ページにわたって殴り書きしました。それをまとめたものが現在のブランドメッセージになっています。

何度読み返しても芯のあるいい文章だと感じます。私に厳しく根っこの部分を追求された宏平さんも「これなら走れる」とGOサイン。この文章ができてやっとリブランディングに向けた様々なことが前進しはじめました。ここまでの期間およそ4ヶ月。

太くたくましい根っこは表層部を魅力的にしてくれた

4ヶ月かけてたどり着いた深層部は確かな手応えがありました。だからこそ、表層部にあたるロゴ、アイテム、ウェブサイトのリニューアルは、時間はかかりましたが迷うことなく進めることができました。

なかでも、MAMOウエアのアイコンともいえるシングレットの形状は、本当に美しいものに仕上がりました。実はこれ20以上の候補のなかから選んだ一案です。宏平さんともう一人、ぐっちーさんという信頼できるnottuoスタッフが大量の案出しをしてくれました。写真はその時の様子。

決定したデザインは世界で最も複雑なパターン構成を求められました。このあと製造元である大栄商会さんを苦しめるわけですが、その様子もなかなか面白いのでこちらのブログを覗いてみてください。

本日はMAMOレスリングウエアを製造面を担っていただいている(株)大栄商会・安藤道彦社長の紹介です。製造面とはつまりシングレットの型紙のパターンをつくったり、印刷、裁断、縫製など商品が実物としてつくられる全ての過程のことです。デザインやイメージをカタチに落とし込む作業をしていただいている、言わば本丸の部分です。

ちなみに、ぐっちーさんは私と同世代の女性デザイナーです。私以上にMAMOにこだわりを持って接してくださる熱い方です。ロゴやショッパー、名刺などは彼女が主となって創作いただきました。ぐっちーさんについてはまた別の機会で紹介したいと思います! (?笑)

基本顔出しNGらしいぐっちーさん

nottuoさんに手がけていただいた創作物については、nottuo inc.のウェブページで紹介されていますので、そちらをご覧ください。

↓↓↓
nottuo inc

これからのこと

手間と時間をかけてアップデートしたMAMOレスリングウエアは、スーパーブランディング顧問 nottuo inc. の登場で業界No.1を目指す土台を築くことができました。本当に良いものは自然と”伝えたい”という思いが先行するものです。私の中にもう迷いはありません。

2020年は新型コロナウイルスの影響でほとんどの大会が中止になりました。当然チームウエアを切り替える機会は減っていて、リブランディング後に想定していた目標数字を下回っているのが現実です。それでも今できることはこれまでと何も変わらず、一件一件のお客様にしっかり向き合うことでしかありません。特にレスリングは競技人口1万人にも満たないスポーツ。関わっていただいたお客様に「あそこは信頼できる」と言っていただけくことこそが着実にシェアを獲得していく唯一の道だと思っています。正直に申し上げますと、こちらのミスでご迷惑をおかけしたお客様もいらっしゃいます。その都度反省をして、今後の対策を打ち、できる限りの対応をさせていただいたつもりです。これからもどんどんアップデートはかけていきますが、そこだけは忘れず、地道に歩んでいきます。

また、これからについてですが、現在シングレットに継ぐ第二弾となるレスリングギアを二つ開発しています。

一つはレスリングシューズです。粗利率や在庫リスクを考えると最も難しい商品であることは間違いありません。しかし、レスリングウエアを手がける以上向き合うべき商品だと勝手に思っています。それから今のMAMOにはその壁を打ち破れる仲間がいます。後日紹介しますが、技術面でサイッコーのパートナー企業と握手することができました。もちろんここにnottuo inc. のコーティングも入り、深層表層ともに本物を追求できる体制が整います。トップ選手に選んでもらえるクオリティに仕上げてから世に出すつもりなので時間はかかりますが、このコロナ期を好機と捉えて、しっかり準備していきたいと思います。

もう一つのギアは、ほとんど完成しておりまして、あとは販売体制を整えるのみというところまで来ています。こちらは近日中に発表なると思うのでもう少しお待ちください。

いよいよスタートラインにたった私たちです。下克上はこれから。精一杯の知恵と勇気を振り絞ってレスリング界を盛り上げていきたいです。世界一小さなスポーツウエアブランドMAMOがどんな展開を見せるのか。是非とも今の今からウォッチしてみてください!

ではまた!