BLOGブログ

MADE IN 大阪の義理と人情のモノづくり。安藤社長の存在なくしてMAMOは成立しない

こんにちは! MAMOの半田です。

本日はMAMOレスリングウエアの製造面を担っていただいている(株)大栄商会・安藤道彦社長の紹介です。製造面とはつまりシングレットの型紙のパターンをつくったり、印刷、裁断、縫製など商品が実物としてつくられる全ての過程のことです。デザインやイメージをカタチに落とし込む作業をしていただいている、言わば本丸の部分です。

ちなみにMAMOレスリングウエアの企画運営をしている合同会社MAMOの社員は半田一人だけ。その他の部分はいくつかのパートナー企業と一緒にMAMOをつくりあげています。

その中でも最も重要な製造部分を担っていただいている大栄商会さんは大阪に本社があり、そこで代表を勤められているのが本日紹介する安藤さんです。とてつもなく頼りになる存在なので、今日のブログではそんな安藤さんを皆さんに知っていただきたいと思っています。

安藤さんとの出会い

安藤さんとの出会いは前職のグッズメーカー時代に遡ります。入社して2ヶ月もたたない頃、ストレッチ系素材でつくりたい商品があって大栄商会さんに問い合わせたのが安藤さんとのはじめての接点でした。実は入社してはじめて社外の人に電話したのが安藤さんでしたので、何かのご縁を感じております。

そして、先日のブログでもお話しした通り、私が前職を離れる時にレスリングウエア事業を個人事業としてやらせてもらえることになり、それ以降MAMO・半田と大栄商会・安藤さんの直接のやり取りがスタートしました。

MAMOレスリングウエア誕生の裏側をお話ししています。たくさんの人に支えられて今に至っています。今回の話はまさにエピソードゼロ。

安藤さんへの無理なお願い① 生地の選定

安藤さんとは、お互い熱くなりやすいタイプなだけに所々でよく衝突をします。衝突と言っても基本私からの無理なお願いをどのように進めていくかについて。最高の商品をつくるためにお互い一生懸命になりすぎてしまいます。ただ、激闘があった後には必ず最高の商品が生まれるというジンクスがあります。

開業してすぐのMAMOでは、大栄商会さんで水着の生地として使用していたポリエステル100%生地(フィッティー)でシングレットをつくっていました。ポリエステル100%なのにストレッチ性があり、インクの浸透も非常に良い生地でした。しかし、レスリングのシングレットは縦伸びが主流なのに対してフィッティーは横伸びに強く、その点で私は改良しなければならないと考えていました。

早速安藤さんに相談して20種類以上のストレッチ生地を用意してもらいましたが、フィッティー以上の適正を示した生地がなく、結局フィッティーを使って、型紙を工夫して縦伸びにも対応できるようにするという方向で決定しました。最もストレッチを必要とする腰部分に別の縦伸びストレッチ生地を使用し、さらに見た目がスマートになるようにカットラインを整えました。

そして、完成したシングレットはバージョン1より格段に着用しやすいものになりました。

しかし、バージョン2は私の中で100%納得できるものではなく、ここまでつくりこんでいただいた安藤さんに非常に申し訳ない気持ちを抱きながらも、「すみません。やはり生地の選定からやり直せないでしょうか。」と相談しました。

安藤さんからは、「半田さん。それは幾ら何でもあり得ません。どれだけ時間を割いたかわかりますか。それにもうこれ以上の生地は私の力では見つけられないので半田さんが調達してください。」と言われてしまいました。そりゃそうだよなと思いました。

ただ、私も諦めるわけにはいかず、自分で生地を探すので、もう一度安藤さんにも協力いただきたい旨を必死で伝えました。その時の電話では「無理です。」と言われてしまいましたが、その1週間後、新たに6種類のストレッチ生地を探し出してくださいました!

その中にあった一枚が、現在のバージョン4でも使用している生地で、私が100%納得できるものです。あそこで粘って本当によかったと思いますし、通常の調達ルート以外から探し出してきていただいた安藤さんには頭が上がりません。

写真:打ち合わせ中の安藤さん

写真:工場で商品をチェックする安藤さん

安藤さんへの無理なお願い② 複雑なカットライン

安藤さんの真骨頂は型紙のパターンが組めるということです。もともと美大出身でイラストがお得意なのですが、CAD(キャド:型紙のパターンを組むソフト)を使ったパターン作成の技術は仕事の中で身につけてこられたとか。MAMOの全ては安藤さんのパターン作成の技術に支えられていると言っても過言ではありません。

最も安藤さんを苦しめたのは、現在のシングレットバージョン4の型紙です。おそらく世界で最もパーツが細かく刻まれているシングレットだと思います。従来のシングレットにみられる野暮ったさを取り除くために、どうしてもカットラインを工夫する必要がありました。

写真:バージョン4の完成イメージ

まず、メンズのMサイズでプロトタイプをつくってもらいましたが、何が難しいかというと、ストレッチする素材を立体的に組み立てていく必要があるということです。それをやってのけてしまう安藤さんを私は天才だと思っています。ただ、今回のものは過去最高に複雑だったそうで、かなり時間を要したと聞いています。

安藤さんは脳をフル回転させると異常に甘いものが欲しくなるそうです。まるでデスノートのLです。(笑)

写真:バージョン4の型紙をCADつくっている様子

そして、本当に大変なのはここからで、このプロトタイプ(すでに3回微調整をしている)をもとに、ジュニア6サイズ、メンズ9サイズ、レディス6サイズの合計21パターンつくって行かなければなりません。またこれ、単純に拡大縮小するだけではダメで、パーツごとに微調整を必要とするかなり複雑なものでした。

ここで安藤さんから、「半田さん、私にはもう無理です。プロのパタンナーに依頼してもらえませんか。」とついに言われてしまいました。しかし、ブランドリニューアルに向けて時間がなく、また他のパタンナーに依頼したとしてもシングレットという特殊なものをカタチに落とし込めるとは到底思えず、「なんとかやってみてもらえないでしょうか。」と、またしても無理なお願いをしました。

納期が迫る中で進めていたプロジェクトだったため、当時はそんなやりとりを夜中の0時までやっていました。

「無理です。」と言われてからが安藤さんの真骨頂。と言ったら本当に怒られそうですが、今回も甘いものを大量に摂取しながら、21パターン全てを作成していただきました。

完成したバージョン4は本当に美しいシングレットです。どこにもない唯一無二のものが誕生しました!

安藤さんにした無理なお願いは数えあげれば切りがないので本日はこの辺にしておきます。

私はそんな義理と人情の安藤さんがカタチにしてくださった最高のレスリングウエアをもっと広めていきたいと思っています。

余談

安藤さんはこの4連休で日本海側を車で旅されたそうで、昨日LINEでこんな写真が届きました。

おや?

半田の母校網野高校じゃないですか!

網野高校は京都府北部にあって、日本海のすぐ側にあります。たまたまローソンに寄ろうと思ったらそこにあったのだとか。いや〜、びっくりしました。海の幸が美味しいので是非とも堪能してくださいね!

ということで、本日は天才安藤社長のお話でした。いつか安藤さんのアテンドでマニアックな皆さんと製造工場を回ってみたいと思っています。

それではまた!