BLOGブログ

【voice】第三回オンラインレスリング(早稲田大学レスリング部主将、指導陣):早稲田大学闘技部が目指す新しいアスリートのカタチ

2020年5月16日(土)に開催された第三回オンラインレスリングの音声を収録しています。

⬇️音声を聴く(59:58)
https://note.com/mamo_wrestling/n/nbedf498bb660

第三回の講義は、『組織としてトップを目指しているけど、どう改革を実行していいのかわからない。。』そんなあなたにぴったりの内容だったと思います。なぜならば、早稲田大学レスリング部がど真剣にそこに打ち込んでいるからです。

当日ご参加されたみなさんは、早大レスリング部の改革の裏に秘める凄まじい覚悟を感じられたのではないでしょうか。

早稲田大学主将、安楽龍馬登場!講師紹介

第三回の講師には早稲田大学主将の安楽龍馬選手、佐藤吏監督、大坂昂コーチの3名を迎え、早稲田闘技部が仕掛ける新No.1戦略とアスリート人材教育に迫りました!

主将:安楽龍馬

まよいマイマイ on Twitter: "フリースタイル65キロ級二連覇!!の安楽 ...

略歴
==================
名前:安楽龍馬(あんらくりょうま)
年齢:20歳(2020年5月16日現在/大学3年生)
出身:千葉県
クラブ:AACC
高校:韮崎工業高校
主な戦績:
全国高校選抜:優勝(高校2年時)
国民体育大会少年の部:優勝(高校3年時)
全日本学生選手権:1、2年で2連覇中
全日本大学選手権:優勝(大学2年時)
国民体育大会青年の部:優勝(大学2年時)
==================

監督:佐藤吏

日本一14冠 元レスリング選手 佐藤吏が伝える「勝利」の価値 ...

略歴
==================
名前:佐藤吏(さとうつかさ)
出身:秋田県
高校:秋田商業高校
大学:早稲田大学
現在:経営コンサルティング会社を経営しながら早稲田大学レスリング部の監督を兼任している。
主な戦績:
学生7冠 (1年生のインカレ以外全て優勝)
2005年全日本選手権優勝
==================

コーチ:大坂昂

Japan Wrestling Federation - 日本レスリング協会公式サイト - JWF

略歴
==================
名前:大坂昂(おおさかあきら)
出身:秋田県
高校:秋田商業高校
大学:早稲田大学
現在:採用マーケティングのベンチャー企業で営業職を勤めながら週末に早稲田大学レスリング部のコーチを兼任している。
主な戦績:
2012年全日本選抜選手権優勝
2014年アジア選手権2位
2016年国体優勝
==================

現在大学3年生ながら、主将として早稲田大学レスリング部を束ねる安楽選手。学生の大会はもちろん、最激戦区といわれる全日本男子フリースタイル65kg級の中で優勝争いに加わってくる実力を持つ注目の選手です。

また、監督の佐藤氏、コーチの大坂はそれぞれ全日本での優勝経験を持つ強者(つわもの)。佐藤氏は2019年に監督に就任して以降、コーチの大坂氏や学生、現役OBとともに日本一という共通言語を持って、さらに現代に通用する人材育成というフラッグを掲げて様々な改革を実行してきました。

そんなアグレッシブな3名に、現在早稲田大学レスリング部が目指す「アスリートの新しいカタチ」についてお話をお聞きしました。

本編のハイライト

本オーディオは、2020年5月16日に開催された『オンラインレスリング』と題したオンライン講義の音声を収録したものです。

第三回オンラインレスリングの詳細は以下になります。

==================
第三回オンラインレスリング講義録
日時:2020/05/16 10:00-1. 講師紹介(安楽主将、佐藤監督、大坂コーチ)
2. 早稲田闘技部の近況(戦績、スポンサー契約、発信活動)
3. 勝つことにこだわる理由
4. 改革の実態にせまる(練習内容の変化、発信活動の真理)
5. 環境の変化に対する選手の本音
6. 早稲田闘技部スポンサー契約の仕組みにせまる
7. 安楽龍馬主将が目指す未来
8. 質問タイム!
==================

勝ちにこだわることなんて当たり前すぎて、伝えるのを忘れていた・・・

まず、開口一番お聞きしたのが「勝つことにこだわる理由」について。早大レスリング部は現在、instagramやyoutubeなどのSNSを中心に発信活動を積極的に行われていますが、その中で時折目にするのが「日本一」というワード。安楽主将、佐藤監督にそれぞれの思いをお聞きしました。

安楽主将:
 やっているからにはトップを目指すことが重要。日本一を目指すことで視野が広がると思います。これまでの早稲田もそれぞれで日本一を目指してきたとは思います。では今何が違うのかというと、「日本一」という共通言語をチームで共有していることです。明確な目的を共有することで学生一人一人の意識の底上げが計れています。

佐藤監督:
 まずは、強くなってほしいと思って選手を大学に送っている保護者さんから、私は大切なお子さんをお預かりしている立場にあります。だから、まずはそこにしっかり答えていくためにやっていかないといけないですよね。それから最近はyoutubeなどの発信活動がクローズアップされがちなんですが、正直勝ちにこだわることなんて当たり前すぎて・・・。そこを飛ばして発信活動をしているとみられていた感があって、もしかしたら勘違いされている方も多いかもしれないと思いました。今回のオンラインレスリング登壇がそれを伝えるいい機会になったと思います。

改革の実態に迫る!

ここでは日本一になるための練習内容や、その他での新たな取り組みについてお聞きしました。

佐藤監督:
 うちの練習は1時間半から長くても2時間。その代わり10分も休憩してないと思います。超短期集中でやっています。他の大学みたいに3時間やれっていわれたら全然できるんですけど、結局突っ立ってる時間が多いじゃないですか。うちの場合は選手数が少ないから、ずっと出っぱなしの状態でやっています。

 それから戦略と戦術を明確にさせています。戦略といってもシンプルで、「もつれたら上になる」と「1回の攻撃で最大得点」。この2つです。これを学生に徹底的に落とし込んでいます。理解している選手は結果が出てきていますよね。ただ、まだまだ体得できていない選手がいるのは事実で、これが指導陣の今後の課題です。

ここで司会の半田から嫌な質問をしてみました・・・。

半田:
 これまでも効率的な練習を意識して短時間練習に取り組んできた指導者は多いと思いますが、私の私見でいうとそのチームは結果が出ていないように見えます。そういった指導者がやってきた効率的な練習と何が違うんでしょうか。

佐藤監督:
 まず、絶対に勝てる練習をしているという自信があります。私に迷いがないことが一番の大きいと思います。指導者が迷ってたら学生に伝わりますよね。また、先ほど述べた練習内容の他にポジション練習を徹底的にやらせています。試合ではどんな状況になるかわからないですよね。だから、わからないことをわからないままにしておかないような練習を心がけています。実際にこれらの戦略が昨年のインカレあたりから徐々にハマってきています。

安楽主将:
 指導陣と学生の信頼関係がしっかり築かれていることも重要な視点だと思います。先ほど監督が話されたように監督自身に迷いがないので私たちも信頼できますし、コミュニケーションを多くとれる環境にいます。先ほど半田さんの方から、過去にも効率を求めた指導者がいたとお聞きしましたが、それとの大きな違いは指導陣とのコミュニケーションにあります。他の大学には負けていない自信があります。

発信活動の裏側!全ては学生の成長のためだった

早稲田の取り組みの中で一際目立つのがyoutubeによる技動画の配信活動。なぜこれをするようになったのかについてお尋ねしました。

佐藤監督:
 うちでは先ほど述べた2つの戦略を戦術に落とし込むために、どうすればいいかの振り返りを行います。その一環として技研を行なっているのですが、だんだん選手の解説が上手くなってきて、指導陣が100求めたら100返して来るようになったんです。ただ、このままだと慣れが生まれて成長がとまってしまうと思ったので、youtubeで動画配信することでこれまでと違った刺激を加えてみました。当然子供達も見るわけだから、今までよりわかりやすい言葉で解説する必要が出てきますよね。そういった刺激を加えることで選手が技を言語化できるようになってきて、技に対してもう一つ深く考えるようになりました。

一見発信活動だけが目立ってしまいますが、背景には学生の成長があったんですねー。今回の講義でそこがお聞きできたことが非常によかったと思います。

スポンサー獲得活動の裏側!

早稲田大学は現在15社企業とスポンサー契約をしています。大学部活動が15社の企業と契約している?ちょっと他では聞かない状況です。今回はその裏側にも迫ってみました。

大坂コーチ:
 去年の11月末からスタートした活動なんですが、学生たちからそれぞれ興味のある企業さんにメールなどで問い合わせをして、興味を持っていただいた企業さんに練習場にお越しいただくなどしてコミュニケーションをとり、物品提供でご協力をいただいています。今年の3月までで15社と契約させていただきましたが、正直自分たちでもびっくりしています。

 そもそもなぜこの活動をスタートしたかというと、私自身早稲田大学のコーチをしながら、平日は学生の就職活動を支援するベンチャー企業で働いています。その関係で学生のインターン経験の数字を見る機会があったのですが、今ではおよそ80%の学生がインターンの経験があることを知りました。私が学生だった6年前からずいぶん状況が変わりましたが、その背景には働き方の変化への不安があると思います。少し前までは就職活動に体育会の学生が優遇されてきた感がありますが、求められる人材が変わってきた以上それも昔の話です。だから、私たち指導陣としてはレスリングで日本一に育て上げる一方で、社会にも通用する人間を育てる義務があると思うんです。実際にこの活動をやりだしてから、「レスリングを知らない人たちへの接し方は?」「服装はこれでいいんだっけ?」とかいうように全てのことが自分ごとになっていきました。今までレスリングの世界しか知らなかった学生に、広い視野を持ってもらうための活動でもあります。

素晴らしいの一言ですよね。安楽主将はこの取り組みをどのように捉えているのでしょうか。

安楽主将:
 企業さんにアポイントを取るところから始まるんですが、なかなか学生時代に経験できることではないですよね。社会への視野が広がります。それから、これまでに加えて、サポートしていただいてる企業さんのためにも「日本一」を目指さなければならないという視点が加わりました。学生がそれぞれ練習への取り組み姿勢が上がった理由に、このスポンサー獲得活動があると思います。

日本一を目指すための戦略。現代社会に通用する学生の育成。

早稲田大学レスリング部では、大きく2つの柱の元に次々に改革を実行しています。

少し文字起こしをしただけでもこのボリューム。。
本編ではその節々に散らばる細かな部分を丁寧に説明していただいていただいています。そして何より、彼らの取り組みの中核には志-こころざし-があるために聞いてて心地がよいのです。

第三回の講義は、『組織としてトップを目指しているけど、どう改革を実行していいのかわからない。。』そんなあなたにぴったりの内容だったと思います。

ニュアンス的なところもあってそれは音声でしか拾えない部分でもあるので本編をぜひ聞いてみてください!

バックグランド再生が可能です。ランニング、ドライブ、家事などのお供にどうぞ。

⬇️音声を聴く(59:58)
https://note.com/mamo_wrestling/n/nbedf498bb660