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【特集】激戦 女子68kg級 パリ五輪代表プレーオフ -尾崎野乃香 vs 石井亜海-

女子のパリ五輪最後の一席を争った68kg級は天皇杯から階級をあげて挑戦した世界65kg級王者・尾崎野乃香選手が、石井選手との激戦を制して五輪代表権を勝ち獲った

天皇杯さながらの応援合戦でスタートした緊張の一戦はまさに「名勝負」と呼ぶにふさわしい展開だった

第一ピリオドでは終始拮抗状態が続いたがラスト10秒を切ったところで尾崎選手がガブリからバックポイントをとり3-0でリード

第二ピリオドも序盤は拮抗状態が続いたもののラスト20秒で石井選手が執念の片足タックルで場外際のテイクダウンを奪って逆転に成功

その時点で残り時間は9.88秒
勝利の女神は石井選手に微笑んだかに見えた

しかし、尾崎陣営や選手本人は全く諦めていなかった

最後の最後、一度右足にフェイントをして相手がバランスを崩したところを反対足をキャッチしその後素早い処理でテイクダウンを奪った

まさに劇的な逆転劇だった
喜びを爆発させる尾崎、うずくまる石井

その光景から両選手の一戦にかけてきた思いがひしひしと伝わり、見る者の胸を熱くした

トップレスラーからもこの名勝負に対してSNSでたくさんのコメントが寄せられた

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石井選手はじめ、たくさんの選手の思いを背負いパリ五輪68kg級に挑戦する尾崎選手だが、この階級は世界に競合選手が犇いている

2023年世界選手権68kg級を制したブセ・チャブシュオール・トスン(トルコ)はここ1、2年で急成長をみせており、前年の五輪勝負の年に初めて世界女王に輝いた選手。72kg級でも世界3位の実力を持っている

また、アメリカ代表に正式決定しているわけではないが昨年世界72kg級を制したアミト・エロル(アメリカ)はパリオリンピックでは68kg級出場を表明している。全世代の世界戦を制しており、パリ五輪を優勝して須崎優衣選手に続くグランドスラム達成を狙っている若き天才レスラーだ。出場権を獲得してくれば最大の強敵といえる存在だろう

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世界の競合ひしめく女子68kg級
尾崎選手が今回の国内戦でみせた中量級ならではのスピードを活かした攻撃型レスリングでぜひパリ五輪の金メダルを勝ち獲ってほしい

本当の勝負はここからだ!

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写真は「チーム野乃香」の皆様からのご提供
および
@japanwrestling
@greco_free
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