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【特集】景虎、いざ世界へ!|明治杯2024

#明治杯2024特集
📷 @__kotograph__

戦国武将のような名前に愛くるしいルックスが特徴の岡本景虎選手(専大コーチ)。昨年末の天皇杯で全日本初優勝を決めて、今大会は10月の世界選手権代表の切符に王手をかけて挑んだ。

名門・和歌山北高校出身の景虎選手は、高校時代からグレコをメインに戦ってきた選手。高校2年、3年と国体で3位入賞を果たすも優勝経験はない。大学に入っても3年生までは無冠だったが、4年生の最後の大学選手権で初優勝を飾った。大学時代において最終学年で一番の成績を残す選手は、総じて努力型であるといえる。

さらなる飛躍は昨年末の天皇杯。尾西選手、山際選手などの若手ホープの壁を超えて、社会人一年目でついに全日本優勝を飾った。

冬春連覇を狙った今回の明治杯であるが、初戦で西の強豪である二宮選手に不覚。トーナメント後に行われるプレーオフに掛ける形になった。プレーオフに登場した景虎選手の首には何重にも施されたテーピングが見て取れた。松雪新監督(専修大学)のコメントによれば今大会初戦で首を痛めてしまったようだ。首の怪我は全身に影響を及ぼす。身体的に厳しいプレーオフとなった。

対するは大楠健太選手(日体大)。昨年の天皇杯初戦で下しているとはいえ、今大会は粘り強い試合展開で初優勝を飾った伸び盛りの選手。

試合開始。首の怪我の影響が心配される中、前半からアグレッシブにスタンドでプレッシャーをかけていたのは景虎選手。試合中首のすわりを気にするシーンが何度か見られたが、気持ちの現れか、技の切れは冴えていた。スタンド、グランドと追加点を重ねて結果的にスコア7-0。優秀の美を飾るプレーオフとなった。

勝利の瞬間は観客席にむけて高らかとガッツボーズ。客席からは試合中幾度となく悲鳴のような声援が聞こえたが、それにしっかりと応えてみせた。

専修大学としては、中村倫也選手の2017年以来となる実に7年ぶりの世界選手権代表である。全日本出場選手数では日体大に続き2番目の多さを維持してきた同校であるが、進学する多くの選手は高校ベスト3~8の選手である。4年間大学での技術指導を徹底し、学生チャンピオンを量産していることからも実力の底上げには大いに成功している名門チームといえるが、なかなか五輪や世界選手権に手が届く選手の育成には至れていなかった。

そんななかで、今回の景虎選手の勝利は起爆剤となるに違いない。エネルギーは呼応するものである。今年度から松雪泰成氏が新監督に就任しチームをまとめ上げる。グレコは前田明都氏が指揮をとる。総監督には佐藤満氏が着任しチームを引き締める。さらにコーチ陣にはレスリングからMMAに転向した中村倫也氏や河名マスト氏等が着任。これまでにない指導陣の充実といっていい。今回の景虎選手(OB)の勝利は個人にとっても新体制となった同校にとっても大きなものであったに違いない。

チームの大きな期待を背負って、10月、初の世界選手権で頂点を目指してほしい!

景虎、いざ世界へ!